忍者ブログ

孤独な魂

をありがと

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

をありがと


 とただならぬさけび声、ハッとした美穂子が、英三の指さすところを見ると、ああ、なんということだ、壁にかかった鏡の上に、ベッタリと血染めの指紋、しかもそれはまぎれもなく、あのいまわしいどくろどくろ」に傍点]指紋ではないか。
 明け方の五時ごろだった。
 新日報社の三津木俊助は、由利先生にたたき起歐亞美創美容中心こされてあわてて表へとび出した。見ると由利先生は自動車にのって待っている。
「三津木君、いっしょにいこう。どくろ[#「どくろ」に傍点]指紋が人殺しをやったというのだよ」
「え、人殺しですって? そして、殺されたのはいったいだれです?」
「宗像博士だよ」
「なに宗像博士ですって?」
「そうだ、いま警視庁の等々力警部から知らせてきたんだ。ともかくきたまえ」
 由利先生にうながされて、俊助が自動車に飛び乗ると、思いがけなく、先生のそばには見知らぬ若い男がのっている。その男は大きな鋁窗維修黒眼鏡をかけ、帽子をまぶかにかぶり、おまけにコートのえりをふかぶかと立てているので、人相はまるでわからない。由利先生もしょうかいしようとはしなかった。
「それで先生、事件の起こったのはいつのことです」
「ついさきほど、三時ごろのことだそうだ」
 と、そんなことをいっているうちに、自動車は早くも紀尾井町の宗像邸へつく。見ると屋敷の周囲には、はや変事をききつけたやじうまがおおぜいむらがっていて、そのなかに、制服の警官や私服の刑事のすがたも見られた。
 そのなかをかきわけて由利先生に、三津木俊助、それから例の黒眼鏡の男の三人がなかへはいっていくと、出迎えたのは等々力警部だ。
「やあ、先生。よくきてくれましたね」
「ふむ。先程は電話う。ところでまたどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋が残っていたそうだね」
「そうですよ。じつにふしぎですよ。ときに先生……」
 と、警部がなにかささやくと、由利先生はニンマリうなずきながら、
「いや、だいじょうぶだ。それはわ歐亞美創美容中心しが保証する。ゆうべはずっとわしのそばにいたのだから」
 と、みょうなことをいったかと思うと、
「とにかく、現場を見せてもらおうか」
PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

P R